モンテ・パスキの損失隠しで訴えられるドイツ銀行

17.12.2016

Photo: reuters

 

 イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(ポンテ・パスキ)銀行がドイツ銀行と野村ホールディングスと共謀して損失を隠し、財務虚偽報告に関与したとする裁判が2016年12月15日にミラノで始まった。欧州で破綻危機を迎えている2行が関わっている裁判である。

 

 

 モンテ・パスキはこの件で、10月に司法取引を行い1000万ユーロの放棄および60万ユーロの罰金を支払うことで合意した。そのため裁判の被告には含まれていない。一方、ドイツ銀行と野村はデリバティブ(金融派生商品)取引を利用して、モンテ・パスキの損失隠し及び2008~2012年の虚偽決算報告への関与と市場操作で訴えられている。

 

 裁判は、モンテ・パスキが最後の手段ともいえる50億ユーロの資本増強計画に取り組んでいる最中に行われている。このため裁判の報道で投資家が影響を受けないとは言い切れない。

 

 

裁判で影響を受けるドイツ銀行

 ドイツ銀行は数カ月続くとされるこの裁判で、ドイツ銀行が抱えている多額のデリバティブに注目が向けられることを恐れている。その理由は、モンテ・パスキの訴訟の件で、ドイツ連邦金融監督庁(Bafin)がドイツ銀行の会計監査を行った結果、モンテ・パスキの件と同様に、会計上の調整を行っていたことが判明したからである。

 

 ドイツ銀行は30の顧客に対して、デリバティブ取引で103件の契約、総額105億ユーロ相当の取引で簿外融資をデリバティブに変え、会計報告を調整したとされる。ドイツ銀行のバランスシートが信用できるか、最も複雑で評価が難しい「レベル3」資産には何が含まれているか不信感が沿増大している。

 

 

注:レベル1 資産は市場価格で価値が決まる上場株式や債券

  レベル2 金利スワープなど価値を計算しやすい資産

  レベル3 証券化商品、金融機関や自社基準で価値を計算